自発的健康診断とは
(1)自発的健康診断の結果の提出(法66条の2)
常時使用され労働者で、過去6か月間に平均して、1か月当たり4回以上の深夜業に従事した労働者は、「(2)自発的健康診断の項目等」によって、自発的健康診断の結果を証明する書面を事業者に提出することができます。
ここで、深夜業とは、午後10時から午前5時まで、厚生労働大臣が必要であると認める場合は、その定める地域又は期間については午後11時から午前6時までの間における業務のことです。
また、この自発的健康診断は、労働安全衛生法で義務づけられている
定期健康診断や
特定業務従事者の健康診断とは異なりますので、
労働者には健康診断を受診する義務があるか(2)事業者の指定した医師等の健康診断を希望しない場合による健康診断を除きます。
(2)自発的健康診断の項目等
次の①から⑪までに掲げる項目の全部又は一部について、自ら受けた医師による健康診断の結果を証明する書面を事業者に提出することができます。
ただし、事業者に自発的健康診断の結果を提出できるのは、その健康診断を受けた日から3か月以内です。
そして、この書面は、その労働者の受けた健康診断の項目ごとに、その結果を記載したものでなければなりません。
① 既往歴及び業務歴の調査
② 自覚症状及び他覚症状の有無の検査
③ 身長、体重、腹囲、視力及び聴力(千ヘルツ及び四千ヘルツの音に係る聴力をいう。)の検査
④ 胸部エックス線検査及び喀痰検査
⑤ 血圧の測定
⑥ 血色素量及び赤血球数の検査(貧血検査)
⑦ 血清グルタミックオキサロアセチックトランスアミナーゼ(GOT)、血清グルタミックピルビックトランスアミナーゼ(GPT)及びガンマ―グルタミルトランスペプチダーゼ(γ―GTP)の検査(肝機能検査)
⑧ 低比重リポ蛋白コレステロール(LDLコレステロール)、高比重リポ蛋白コレステロール(HDLコレステロール)及び血清トリグリセライドの量の検査(血中脂質検査)
⑨ 血糖検査
⑩ 尿中の糖及び蛋白の有無の検査(尿検査)
⑪ 心電図検査
(3)自発的健康診断制度の趣旨
自発的健康診断制度は、深夜業に従事する労働者が、自分の健康に不安を持っており、事業者が実施する次回の
特定業務従事者の健康診断を待てない場合に、自らの判断で受診した健康診断の結果を事業者に提出したときは、事業者が
特定業務従事者の健康診断と同様の事後措置を講ずることを義務づけたものです。
(4)健康診断結果の記録
事業者は、この健康診断の結果に基づき、健康診断個人票を作成して、これを5年間保存しなければなりません。
(5)健康診断の結果についての医師からの意見聴取
事業者は、この健康診断の項目に異常の所見があると診断された労働者の健康診断の結果に基づいて、その労働者の健康を保持するために必要な措置について、次の方法によって、医師の意見を聴かなければなりません。
① この健康診断の結果を証明する書面が事業者に提出された日から2か月以内に行うこと。
② 聴取した医師の意見を健康診断個人票に記載すること。
(6)健康診断実施後の措置
事業者は、健康診断の結果についての医師の意見を勘案して、その必要があると認めるときは、その労働者の実情を考慮して、次のような適切な措置を講ずる必要があります。
① 就業場所の変更
② 作業の転換
③ 労働時間の短縮
④ 深夜業の回数の減少等の措置
⑤ 作業環境測定の実施
⑥ 施設又は設備の設置又は整備
⑦ 医師の意見を衛生委員会、安全衛生委員会、労働時間等設定改善委員会へ報告
⑧ その他の適切な措置
<参考>
・
健康診断結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針
(7)保健指導の実施
事業者は、この健康診断の結果、特に健康の保持に努める必要があると認める労働者に対して、医師または保健師による保健指導を行うように努めなければなりません。
労働者は、健康診断の結果及び上記の保健指導を利用して、その健康の保持に努める必要があります。

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